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銀行規制による倒産増大について

減損会計の問題  (朝礼スピーチ例)渡辺真人

「名古屋の危機」

 名古屋地区では昨年年頭からのトヨタ自動車が年間販売台数を1000万台にする方針に沿った下請け企業の大幅な設備投資が行われました。こうした中、2次、3次下請けの企業は受注増を見込んで借入金やリースで設備増設をしたため、昨年後半の急激な生産台数の減少で、厳しい経営となりました。実際12月以降は発注が平均6割減少です。9割から10割減少(つまり受注がない!)となった企業も出ていて、設備資金負担が重くのしかかり経営は風前の灯となりつつあります。これで生き延びても、3月決算が赤字になれば、6月には銀行貸出金の引き上げがあります。景気が悪くなったときに銀行の引き上げがあるか、をここでまとめてみます。まず、減損会計制度を銀行が導入実施しているためと考えています。

「減損会計」

 資産の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合や、資産劣化(赤字や売り上げ低下)した場合、当該資産の帳簿価額にその価値の下落を反映させる手続きを減損会計といいます。この会計制度で、現在の銀行は動いています。2009年3月決算では、メガバンク等は、株価低下等で、減損処理に伴う大幅な赤字を計上することになります。実際の銀行業務収支ではなく、株価や資産収益性が下がった赤字処理なのです。銀行自身が赤字決算を組んでいる時期、3月に、多くの企業の決算を迎えます。

「赤字企業をつぶす?」

 「減損会計」では企業の決算が赤字となった企業の貸し出し評価を悪い方向に変えなければなりません。金融庁評価基準の厳しい赤字企業の貸し出し金については、貸出金と同等の引当金を立てるルールが動きます。つまり同じ金額の貸し出し残高であっても、前年までより、多くの引き当てをすることが義務となります。銀行自体の赤字で、貸付金の引当金を余分に立てる余裕がないため、赤字企業から貸出金の回収をする以外、銀行自体の信用維持が出来なくなる仕組みです。こんなおかしい仕組みが新BIS規制です。

「新BIS規制」

 いままでのBIS規制では、貸し倒れリスクを算定することが中心でしたが、新BIS規制ではリスクを正確(つまり厳しく)に査定し、赤字企業貸し出しに対して、銀行は引き当て金を同額積み上げるものです。さらに新たに「オペレーション・リスク」を組み込む考えを加えました。オペレーション・リスクとは、事務事故や不正行為、訴訟などの損失発生リスクも組み込むものです。2006年から導入した中、余りに厳しいので、言い出した米国ではすでに運用緩和が始まっているほどです。しかし、日本ではこれを今後さらに厳格に運用する方針です。不景気になると当然多くの問題で企業リスクが高まります。つまりお金が必要な時期に貸し出しが不可能となる規制です。

「アメリカ式企業統治の崩壊」

 私見ですが、こんな「新BIS規制」が出来た理由の1つは、アメリカ企業が日本企業を購入し統治しやすくする目的であったと思います。リーマン崩壊後、現在のアメリカ企業ではもう実施出来なくなった目的です。よって日本の銀行は早急に減損会計を放棄して、日本の中小企業を救う必要があります。今の名古屋では、現在銀行のお金をトヨタ系の有力企業が多くを借り上げ、6月に備えています。そのため、一般の企業には銀行資金がめぐりにくい環境です。6月には銀行の資金引き上げも加わりメーカー系の倒産山場を迎えると感じています。減損会計をすぐにやめないとまともな企業まで倒産して行きます。金融庁と日銀は目を覚ませ。

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