塩野七生氏著 ローマ人の物語について
塩野七生氏著 ローマ人の物語について
とうとう、ローマ人の物語、ローマは1日にしてならずから始まった物語が第15刊が刊行されました。この小説は毎年1冊づつ刊行され、15年かかって最終刊が出たのです。「とうとう」という感慨であります。著者塩野七生さんは住居をイタリアに構え、ラテン語の原書を読み、15年かけて日本人が読めるローマ史を世に出しました。と言うよりは、心から「出して頂いた」が正直な感想です。約14年前にこの書にめぐり合い、心ときめかせ、今年まで読んできたのです。正直、第13刊でローマ史は終わりの感覚でいました。しかし、第14刊を読んで、キリスト教の影響が現代に繋がる話を読み、この15刊で物語の結末を知る時間を今待っています。すぐに本を披く時間がないので、購入でき、読み終わるまで、そして新たな物語りに出会えることが今から待ち遠しいところです。
この書の主題は「成功は失敗の始まり」と思っています。強く感じることは、導入当初素晴らしい仕組みも時間と共に陳腐化し、やがて運用の障害となるものである。人は絶えず、その仕組みを変えていかなければ、どんな素晴らしい仕組みも陳腐化しやがて滅ぶ。ローマの失敗の原因を探せば、成功の要因の中にあるものだと、感じています。また、希望や夢を失った文明は、市民が他人の思考の多様性を排除し、わかりやすい狭い考えに助けを求めることが、往々としてあったと書いてあります。狭い思考による「1つの正義」以外は全て異端、そして排除となっていく経過を、この物語はリアルに伝えているのです。
60年以上前、日本人の希望は「平和な社会」。そして夢は「豊かな生活」でありました。それを叶えた仕組みが今陳腐化し、現在の日本はその制度疲労でローマが崩壊した同じ道を歩んでいると見ます。カエサル・オクタビアヌス、ハドリアヌス・トライアヌスなど先人が行なった制度改革を行える人物に自分も成れる様動きます。まず、「隗より始めよ」。自分自身の陳腐化・制度疲労を見直してみます。そして、日本の社会にもう一度希望と夢を持ち込んでみたいものです。
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